ネズミ駆除

ネズミには山野に生息する「野ネズミ」と人家に出没する「家ネズミ」があり、被害をもたらす代表的なネズミは、「ハツカネズミ」「クマネズミ」「ドブネズミ」の3種の家ネズミです。

ハツカネズミ

本来は草原性で、草地・田畑・河原・土手・荒れ地・砂丘などに生息します。
クマネズミ属の「ドブネズミ」「クマネズミ」の2種と同様、「家ネズミ」として人家や周辺の環境に入り込みますが、他の2種よりも小さく(体長6~9cm)、その害も少ない。
渇きに強く、コンテナなどの荷物に潜んで移動し、世界の広い地域に分布します。日本でもほぼ全地域に生息しています。成熟するまで2、3ヵ月です。
夜行性で、単独または家族で生活。雑食性で特に種子や穀物類を好みます。人家では家具の隙間などに巣を作ります。
河原や畑では他の動物の掘った巣穴などを利用して生活し、草の種や葉・花・野菜などを食べ、しばしばハウス栽培の作物に被害を与えます。

クマネズミ

「ハツカネズミ」「ドブネズミ」と並んで人家やその周辺に棲息する家ネズミの一つ。世界各地に棲み、日本にもほぼ全域に棲息します。
東南アジアの森林地帯が原産で、あたたかく比較的乾いた場所を好み、もともと樹上生活していたので、高所への上り下りが得意。「roof rat(屋根ネズミ)」ともいうように、天井裏を騒々しく駆け回るのは、このクマネズミであることが多い。
日本では、大型ビルの増えた1970年代から、主要都市のビル内にクマネズミが増えています。ビル内は一年中温度が一定に保たれているため、冬でもさかんに繁殖しますが、東京では特に夏期に繁殖活動が上昇します。体長15~24㎝。

ドブネズミ

下水のまわりや河川・海岸・湖畔・湿地など、湿った土地に棲息します。水中に飛び込み、巧みに泳ぎます。
市街地では下水・台所の流し・ゴミ捨て場・地下街・食品倉庫など、水が十分に摂取できる湿った場所を好みます。
下水管の破れた部分や、コンクリートの下の隙間、公園、駅前、繁華街などの植え込みの地中、耕作地の堆肥の中などに、巣を作りますが、建物内やマンホール内、舗装道路上の物陰などに紙やボロきれを集めて巣とすることもあります。
高いところに登るのはあまり得意ではないため、主に地表や建物の下層階で生活し、上層階には少ない。屋根裏を走り回るネズミはたいていクマネズミですが、ドブネズミは地下鉄の線路や地下街の通路に不意に現れて人を驚かすことがあります。体長22~26cm。

スーパーラット

近年では、殺鼠(さっそ)剤に耐性のある肝臓の毒代謝能力の高いネズミが増えています。このような耐性をもつネズミを「スーパーラット」といいます。

ネズミによる主な害

衛生上の害

・ネズミの尿糞などの排泄物がレプトスピラ症・サルモネラ菌・ラッサ熱等の原因となります。
・ネズミに寄生するダニやノミに刺されることにより、かゆみ・アレルギー・皮膚炎等を起こします。
・ネズミに咬まれると、鼠咬(そこう)症になる危険性があります。
・ネズミの死骸が腐敗すると悪臭が漂い、ハエの発生源にもなります。

経済上の被害

・家屋や家具、食品などをかじったりして損害を与えます。
・ガス管や電線などをかじり、停電や火事の原因を作ります。
・電信関係やコンピューター のケーブルをかじり、機能を麻痺させます。